思い起こせば、この房総半島の山の中の土地を購入して、夫婦で開墾。バラ園づくりを始めてから20年近くが経とうとしています。その間、たくさんの猫たちとの出会いがあり、別れがありました。今回は、それぞれの理由で今はもうドリプレにはいないけれど、素晴らしい思い出を残してくれた猫たちのお話です。長くなりそうなので、何回かにわけてお届けいたします。
<2023.09.30>
2011年、3月11日、日本中が忘れられない一日になりました。東北を襲った大地震で日本は未曾有の危機に陥りました。その日、僕たちは前日がせつさんのお母様の誕生日ということもあって、房総半島の温泉に一泊して帰って来た日のことでした。
せつさんの生まれは女川です。せつさんのお母様の実家は牡鹿半島の先端の鮎川という小さな町で漁師をしていました。この大災害で親戚一同にたいへんな被害がでました。亡くなってしまった人も数多くいました。
あの日から一ヶ月はほとんど仕事に手がつかず、避難者情報を食い入るように探していました。親戚の人たちがいるかもしれないと、必死になって探していたのです。
その頃の僕たちの心を癒やしてくれたのが、黒猫の男の子のコジジとオッドアイの女の子のリリーちゃんでした。少し前に、近くに住むおばあさんからもらわれてきた子たちです。
震災が起きる少し前に、テレビ朝日の「人生の楽園」からお声をかけていただいていたのですが、テレビも自粛モードになって、そのままになっていました。
その後、少し日本が落ち着いてきた時にまた声をかけていただき、僕たちの姿がふるさとの人たちに元気を届けることができたらという思いで出演することにしたのです。
大きな反響があったことはとてもうれしかったのですが、まだ心から喜べる状態ではありませんでした。
確かにたくさんのお客様がいらっしゃるようになりました。
ただ、やはり駐車場に猫を捨てていく人も絶えることはありませんでした。
その中の一匹がキジトラの男の子のコモイくんです。
気が優しくて超ビビリのコモイくん。
あのモイちゃんにそっくりだったので、コモイくんと名付けました。
黒猫のコジジとは大の仲良しでした。
チロがいなくなったガーデンでは、ニャジラが居着くようになって、すっかり優しくなったニャジラは、まだ子猫だったコジジとリリーをよく面倒みてくれていました。
あの荒野の暴れん坊のニャジラが、まさかこんなに優しいおじさんになるなんて、本当に驚きました。
と、ここまで書いてきて、これ以上、書くことができなってしまいました。
ドリプレの猫たちは、駐車場に置き去りにされたり、山からさまよってたどり着いた子たちがほとんどです。
そして、ドリプレでつかの間の暮らしがあって、虹の橋に旅立ったり、ある日を堺にどこかに行ってしまったり・・・
でも、みんな、それぞれの子たちがドリプレにいたとき、どれほど僕たちやここに訪れる人のこころを癒してくれたことか。
あまりにも純粋で無垢で、そのしぐさやたたずまいに触れるだけで、心がすっと軽くなる。
そんな天使のような存在なんですね。
ドリプレを通り過ぎて行った子たちのことを記録に残しておこうと思ったけど、書いていくにつれて苦しくなってしまって・・・。ごめんなさい。
また違う企画を考えます。
★過去の猫たちのお話はこちらから
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※ここで強いお願いです。
毎年、毎年、ガーデンに猫を捨てていく人が後を絶ちません。山に捨てられた猫たちの大半は助かりません。うちのガーデンで幸せに暮らせるというのは幻想です。それはごくごく一部の運のいい猫たちだけです。このブログに登場することもなく、野生動物やカラスに襲われて、虹の橋に旅だった子たちもたくさんいます。かろうじて保護できた子は少数なのです。私たちもいつの間にか年をとりました。最後まで面倒を みることはできないので、このお願いをしています。
絶対に猫を捨てるのはやめてほしい。
それは動物愛護法に反する犯罪行為です。
苦慮した末、ガーデンのまわりには防犯カメラと防犯センサーを設置しました。万一、見つけた場合は証拠として警察にお渡しします。
※どうしても育てることができない猫がいた場合は、今は必ず地元に「保護猫団体」さんがあります。そちらにご相談ください。
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