毎週火曜日12:30、英国からの新着アンティーク公開。

[その23] 番外編:淋しい顔の猫、ミント。

新しいシリーズ、第3弾はミント。まだ紹介できてないドリプレの猫たち。そんな新人さんたちを紹介していきますね。いま、ドリプレにいる子や事情があって引き取られた子、一定期間だけいて、いなくなってしまった子。いずれにしても、そのほとんどが、ガーデンに捨てられてしまった子たちです。もうこのような行為はほんとうにやめてほしいです。どんなに小さくても、かけがえのない命です。

<2022.8.11>

2021年の7月、見たことのない猫がテラスにやってきました。
相当にお腹がすいていたのでしょう。
ガーデンパトロール隊が食事をしている姿を遠くからじっと見つめていました。
体全体から悲しいような淋しいような哀愁を漂わせている猫でした。
スタッフの一人がテラス席のいちばん端っこにご飯を置いてあげました。
あたりを警戒するようにビクビクしながらやってきて、ご飯をがつがつと食べ始めました。

※初めてドリプレにやってきたとき
※この子に何があったのだろう

大きな体、無数の傷跡、悲しげな表情。
この子は野良猫暮らしが長い子なんだと、すぐにわかりました。
もしかして、はじめは飼われていたのかもしれません。
ご飯をもらえることがわかったのか、その後も夕方になるとテラスに現れるようになりました。
ちょうどキッチンガーデンはペパーミントの季節だったので、ミントと名付けました。

※夕方になるとテラスに現れるミント

大きな体の茶トラの男の子、ミント。
おそらく喧嘩も強いだろうに、ドリプレの猫たちにからんでいったことはなかったです。
夕方になると、いつものようにテラスにやってきて、隅っこのほうでじっとしているのです。
鳴き声をあげることもありません。
野良猫は無駄な鳴き声は出さないようですね。天敵に気づかれるから、ご飯を食べるときも無言です。

※コマリちゃんとオルと
※耳がへんなミント

少しずつ、ドリプレの猫たちとも距離が縮まってきたのかと思っていたのですが、耳が完全にイカ耳になっています。
やっぱり、オルちゃんが警戒しています。
でもミントは、自分からは手を出すことはありませんでした。
長い野良猫暮らしで身につけた知恵なのかもしれません。

※こんな顔のおじさんって、いるよね

それにしても、ミントのこの顔の表情はなんだろう。
いままで、いろんな猫を見てきましたが、こんなに淋しい顔の猫は見たことがありません。
しばらくつきあってみてわかったのですが、ミントは人間のこと嫌いじゃないみたいです。
やっぱり生粋の野良猫ではなくて、どこかで飼われていたに違いありません。

1ヶ月たったある日、初めて鳴き声を聞きました。なんだかせつない声なんだな、これが。

※そのたたずまいが淋しいぞ

少しずつなれてきて、夕方の決まった時間にやってくるのが日課になりました。
お客様が引けた時間になると、どこからともなくあらわれて、ご飯を催促するでもなくだまってそこにいるのです。

※だんだんかわいくなってきました

ようやく捕まえることができて、病院に連れていきました。
先生の話だと、ほとんどの人生を野良猫として暮らしてきて、かなり強い猫であること、病気らしい病気もないこと、怪我もほとんどが自然に治っていること、などを知ることができました。

※少し甘えてくるようになりました

おそらくミントは誰ももらってくれ人はいないだろうから、このままドリプレに居着いて、ゆくゆくはガーデンパトロール隊に入れればいいかな、と思っていました。

※名前を呼ぶと寄ってくるように

他の猫たちも、けっして仲良くしてくれるわけではないけど、その存在を認め始めていました。
ところが、あれほど毎日、夕方になるとテラスにやってきたのに、ある日をさかいにぱったりと姿を見せなくなりました。
心配して、お隣のニャジラがお世話になっている美人姉妹さんに聞いてみたら、ちょくちょくそこにもミントは現れていたそうです。
でもやっぱりというか、ニャジラとはうまくいかず、あっちこっちを放浪していたようです。
山のふもとで見たとの情報もありました。

※ミント、どこに行った

たったの3ヶ月だったけど、不思議な印象を残して去っていったミント。
やっぱり、ここには居づらかったのかな。
僕はミントのことけっこう好きだったな。


ミント、またいつかどこかで会えるかな。

過去の猫たちのお話はこちら
————————————————-
※ここで強いお願いです。
毎年、毎年、ガーデンに猫を捨てていく人が後を絶ちません。山に捨てられた猫たちの大半は助かりません。うちのガーデンで幸せに暮らせるというのは幻想です。それはごくごく一部の運のいい猫たちだけです。このブログに登場することもなく、野生動物やカラスに襲われて、虹の橋に旅だった子たちもたくさんいます。かろうじて保護できた子は少数なのです。
私たちもいつの間にか年をとりました。最後まで面倒をみたいのでこのお願いをしています。

絶対に猫を捨てるのはやめてほしい。
それは動物愛護法に反する犯罪です。

苦慮した末、ガーデンのまわりには防犯カメラと防犯センサーを設置しました。万一、見つけた場合は証拠として警察にお渡しします。
※どうしても育てることができない猫がいた場合は、今は必ず地元に「保護猫団体」さんがあります。そちらにご相談ください。

↓↓↓クリックで応援してね↓↓↓