先週、今回は「長老猫、メイちゃん」のお話と予告したのですが、
考えてみたら、チロの家族のお話の後は、やはりコチロではなかろうかということで、
今回はコチロの物語にしました。ごめんなさい。

ある日、納屋の中で、当時のガーデンスタッフの民江さんと石井さんがお昼休みをとっていたら、
見なれない子猫が突然あらわれたのです。
この頃、チロが奥さんのタマちゃんをガーデンに連れてきて、
夫婦の暮らしが始まった頃でした。
初めの頃は、いったいどこからやってきたのだろうかと不思議だったのですが、
その後、チロが献身的にこの子猫の世話をするのを見て、
これは親子に間違いないと確信しました。

そして
コチロの後、ココチロ、ハーマイオニーと子猫が生まれたのですが、
他の猫たちは野生が強く、人には近づかないのに、
コチロはなぜか、子猫の頃から人になついてくる不思議な猫でした。
いつも、お父さんのチロのあとを追いかけていましたね。

チロとニャジラが長い闘いから和解した後も、
いつもチロのそばにいるものだから、うっとおしいのでしょうか、
ニャジラがコチロを威嚇したり、追いかけたりしていました。
(でも、本気ではないんですよ)

コチロは、イケメンのジャニーズ系で、
お客様からも、スタッフからも、特に女子から人気がありました。
高いところが好きで、いつもレンガの塀の上や、コーナーポストの上にいるのです。

とても活発で、ガーデンをキャキャキャと、鳴きながら走り回っていました。
誰もが、元気で可愛くて活動的な猫ちゃんだと思っていました。
ところが、ある日、あんなに元気だったコチロが、
メインガーデンの入り口の噴水の脇でぐったりしていました。
いったい何があったのかと、
抱き上げて体中を調べてみたのですが、怪我はありません。
すぐに病院に連れて行きました。

結果は、男の子の猫がかかりやすい腎臓の病気でした。
あれほど元気でみんなに可愛がってもらっていたコチロだったのですが、
馬小屋(奥のログハウス)の2階での療養生活が始まりました。
まだ6歳になったばかりで、ガーデンを駆けまわりたかったろうに、食事療法と薬の毎日でした。
それでも、日増しに体調が悪くなっていくばかりで、目に見えてやせ衰えていくのがわかりました。

せつさんと毎日、一生懸命、看病したのですが、自分の無力さになんとも腹立たしく思ったものです。
そして、ある日、5月のバラが満開に咲いた、素晴らしく晴れ渡った日に、一人、旅立って行きました。
2016年のことです。なんで、うちの猫たちはみんな、バラの季節に逝ってしまうんだろう。
カフェスタッフのさちこさんが「虹の橋」の話を教えてくれました。
そして、この物語に救われました。
困ったな、湿っぽい話しばかりで。次回は「長老の館の住人、メイちゃん」です。
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