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[その24] 番外編:タマちゃんの娘の野生児、ハーマイオニー。

新しいシリーズ、第4弾はハーマイオニー。まだ紹介できてないドリプレの猫たち。古くからいるのに、まったくなついてくれない子もいるのですね。いま、ドリプレにいる子や事情があって引き取られた子、一定期間だけいて、いなくなってしまった子。いずれにしても、そのほとんどが、ガーデンに捨てられてしまった子たちです。もうこのような行為はほんとうにやめてほしいです。どんなに小さくても、かけがえのない命です。

<2022.9.9>

次の回は誰にしようかと考えていて、写真を探していたら、そうだ、この子がいたじゃないですか。
昨年の12月9日に虹の橋に旅立ってしまったタマちゃんの一人娘、ハーマイオニーです。
もう10年以上もドリプレの森に住んでいるのに、めったに姿を見たことがありません。
そんなこともあって、うっかりしていました。

タマちゃんは、もう10年以上前に、ドリプレの初代猫のチロが連れきた奥さんで、ハーマイオニーは3人兄弟の長女としてこの森で生まれたのでした。
その後、チロがイノシシと戦って虹の橋に旅立って、長男のコチロは腎臓病でその数年後に虹の橋へ、次男のココチロは、いつの間にかいなくなってしまいました。
その後、ずーっとタマちゃんとハーマイオニーの母娘は、幸せな時を過ごしてたのですが、昨年、そのタマちゃんも虹の橋に旅立ってしまい、ハーマイオニーは一人ぼっちになってしまいました。

元々、ハーマイオニーは野生が強い子で、誰一人として触ったことはありません。
人間が嫌いというよりは、ドリプレの他の猫たちとも同じで、タマちゃん以外とは距離をおいていました。
野生がとびきり強い、三毛猫の女の子。
そんなハーマイオニーですから、いつの頃か、ふいといなくなってしまったことがありました。
2年もの間、タマちゃんはずーっと一人でハーマイオニーを待ち続けていました。
たまたま、その時期に、ガーデンの裏の方で、ハーマイオニーが自分の体ほどもある大きなウサギを咥えて歩いているの見たことがありました。
たくましく生きているんだなあと、感心したものです。
それからしばらくたったある日、ハーマイオニーがタマちゃんと仲良くしているではありませんか。
2年間、行方をくらましていたハーマイオニーが戻ってきたのです。
タマちゃんも、本当にうれしそうでした。

そうそう、ハーマイオニーという名前は、ハリーポッターが大好きなせつさんがつけたのです。
ハマちゃん、と呼んでいたけど、あまり反応したことはありません。
タマちゃんが亡くなる前、よく二人で馬小屋の屋根でお昼寝している姿を見たものです。

めったに一人でいることがなくて、いつもタマちゃんと一緒でした。
2年間、いなくなってしまったのには、何か理由があったのでしょうか。
そのお詫びもあってか、ハーマイオニーはタマちゃんのことをとても大切にしているようでした。
そして、この頃からタマちゃんの様子が少しおかしくなってきたのです。

いままで一度もカフェにやってきたことのないタマちゃんが、カフェの中に入ってきたり、ある日、馬小屋の中でちょこんと座っていたり、スタッフ一同、とても驚いたものです。
しばらくして、タマちゃんの顔が黒ずんでいることに気がついて、病院に連れていきました。

治療してもらって、帰ってきてから一週間後、タマちゃんは虹の橋に旅立ちました。

いまにして思うと、タマちゃんは20歳近くになっていたので、認知症が入っていたのだと思います。
そして、そのことに気がついていたハーマイオニーは、残された時間を母と一緒に過ごそうと思ったのかもしれません。
ハーマイオニーが戻ってきてから、ずーっとタマちゃんと一緒にいたのもそんな思いがあったのでしょうか。

一人ぼっちになってしまったハーマイオニーは、タマちゃんが亡くなったあと、姿を消してしまいました。
僕たちはまた、どこか放浪の旅にでてしまったんだろうな、と諦めていました。

ところが、タマちゃんのお葬式から1ヶ月たったある日、お隣の植木屋さんの畑でお昼寝しているハーマイオニーを見つけました。
その後も、1ヶ月に1度位ですが、せつさんが馬小屋の前の猫たちのダイニングでハーマイオニーがご飯を食べている姿を何度か見たそうです。
僕も、シークレットガーデンで元気に走っているハーマイオニーを見かけました。
そして、ある日の朝、馬小屋の2階の僕たちの寝室に挨拶に来たのです。

残念ながら、その後、ハーマイオニーを見ることはありません。
10年以上も、この森に住んでいたのに、やっぱり、タマちゃんがいたからここにいたのですね。
野生の強い子だから、きっとたくましく生きていると思うけど。
なんだか家族の物語を見ているようで。せつなくなりますね。

もしかしたら、また旅に出るので、僕たちにお別れの挨拶に来たのかもしれません。


過去の猫たちのお話はこちら
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※ここで強いお願いです。
毎年、毎年、ガーデンに猫を捨てていく人が後を絶ちません。山に捨てられた猫たちの大半は助かりません。うちのガーデンで幸せに暮らせるというのは幻想です。それはごくごく一部の運のいい猫たちだけです。このブログに登場することもなく、野生動物やカラスに襲われて、虹の橋に旅だった子たちもたくさんいます。かろうじて保護できた子は少数なのです。
私たちもいつの間にか年をとりました。最後まで面倒をみたいのでこのお願いをしています。

絶対に猫を捨てるのはやめてほしい。
それは動物愛護法に反する犯罪です。

苦慮した末、ガーデンのまわりには防犯カメラと防犯センサーを設置しました。万一、見つけた場合は証拠として警察にお渡しします。
※どうしても育てることができない猫がいた場合は、今は必ず地元に「保護猫団体」さんがあります。そちらにご相談ください。

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