<2007.4.13>
この土地で迎える2度目の春が訪れました。
開墾も終わって広々とした大地を前にして、
ここにどんなガーデンができるのかなあ、
と僕もわくわくしてきました。
真っ白なカンバスを前にした
画家のような気分といったらいいでしょうか。
・・・なあんちゃって。(^○^)
ふととなりを見るとせつさんが
焦点の定まらない目でぼーっと、土地をみています。
目の前に手のひらをひらひらとかざすと、
ふっと我に帰って、「晩ご飯、どうする・・」
とわけのわからないことを口走っています。(T-T)
あれほど苦労して開墾した土地を前にして、
しばし放心状態といったところでしょうか。
「ここにすばらしいバラ園をつくるのではないですか!?」
僕が厳しく問いつめると、
せつさんの口元がキューっと曲がっていきます。
どうやら追いつめられているようです。
昔からそうなんですが、自分で言い始めておいて、
いざそれが現実になろうとすると、
そこから逃避したいというところがあるんですね。(- -)
「いったいどうするんですかっ!?」と
なおも厳しく問いつめると、
「ユンボ。」とつぶやきます。
「えっ」と聞き返すと、
大きな声で「ユンボ!いますぐー!」
と叫びました。
ユンボでいったいどうするんだろうと思いながら、
近所で評判のユンボ名人の錦織さんにお願いしました。
その日、錦織さんが愛車の大きなユンボと
いっしょにやってきました。
せつさんは、なんと、錦織さんが運転する
一人乗りのユンボのおしりに乗っかって、
右に左にとなにやら指示しています。
錦織さんはなんといってもユンボで
てんぷらをあげられるほどの名人ですから(!?)、
せつさんの無理難題をなんなくこなしていきます。
半日ほどたって、ユンボからおりると、
せつさんは、「ま、こんなものかなあ~♪」と、
手をぱんぱんとたたいています。
見ると、くねくねとした道が
たくさんできているではありませんか。
なるほど、これがガーデンの中の道なんだ。(^^)
不思議なもので、道らしきものができあがると、
僕の心の中に満開に咲き誇るバラが見えてきました。
———-つづく———-
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