注:今では毎年、1月から2月にかけてイギリスに買い付けに行っていましたが(コロナ禍で2年間行けていません)、当時は会社に勤めていたので、買い付けに行く日程が決まっていなくて、真夏に行ったり、秋に行ったり、様々でした。
<2006.10.3>
「はい、つぎ!」
せつさんの威勢のよい声が、ホテルの狭い部屋に響きます。
せつさんが次々とアンティークたちを包んでは、僕に渡します。
僕はそれを受け取って、次々にダンボールに入れていきます。
「はいよ!」
「ほいきた!」
「こらさ!」
「あらよ!」
さしづめ、江戸時代の駕篭(かご)やさんです。
ふと気がつくと、部屋の中がダンボールだらけです。
それもそのはず、朝からずーっと、
「よいしょ!」
「こらさ!」
とかなんとか、ランチも取るのを忘れて続けていているのですから・・・。
ホテルの人たちも僕たちが何をやっているのか、興味しんしんです。
夕方になって、「おっと、こいつあ、いけねえや!!」
と、すっかり江戸っ子言葉になってしまった僕が思い出したのは、
このダンボールたちを日通さんに持っていかなければいけないってことでした。
レンタカーには、ぎりぎり7個しかつめません。
(※当時はまだトラックを借りるということまで思いつかず、普通のレンタカー屋さんでワゴンを借りていたんですね。)
今回のダンボールは全部で23個ありましたから、
それに農具とか椅子とかもあったものですから、
何往復したことでしょうか。
ちなみに、ホテルからマンチェスターの日通さんまで片道1時間はかかります。
「せつさん、ちょっくら行ってくらあ!!」と声をかけると
「おまいさん、気をつけて行くんだよ」と、火打石なんかをカチカチっと・・・・つけるわけないですよね。
そうなんです。
ここはイギリスだってこと、すっかり忘れていました。
とまあ、こんな調子で荷造りの毎日がつづくのですが・・・。
つづく。
過去のお話しはこちらから
↓↓↓クリックで応援してね↓↓↓