毎週火曜日12:30、英国からの新着アンティーク公開。

「Hit & Run」・・夫 4

※田舎の雨の夜のガソリンスタンド(現地ではペトロールステーションTT)

<2006.4.23>

「もうクルマで寝ましょう・・。」

店長のせつさんは、地図を読み込むことができません。
かなり、方向音痴といっていいでしょう。

地図を見ても、5分と続きません。
で、冒頭の発言です。

日本ではナビ様がいてくれるから、
ドライブもずいぶんとらくになったもんです。

でもここは、イギリスです。

ナビ様もついておらず、
地図も英語ときた日にゃ、もうお手上げです。

ほんとうに、アンティーク雑貨の買付けなんてできるのかなぁ、
とまたしても不安がこみあげてきます。

とにかく、僕は必死になってマンチェスター空港からM56に乗り、
途中でM6を右折し、今夜泊まる予定のチョーリーのホテルを目指します。

A5209の出口を降りるところまでは、
暗い雨の中をよく間違えずに来たもんだと気分はよかったんです。

ところが、一般道に入ってからまったく方向がわかりません。

まいったな。と、せつさんを見ると、・・・・・寝ています。
しっかり、寝ています。やれやれ。

しかたなく、ガソリンスタンドのコンビニで道を聞くことにしました。

コンビニの若い店員さんはとっても親切で、
ていねいに教えてくれます。

お客さんが何人かいたのですが、
僕が終わるのをにこにこしながら待っていてくれます。

イギリス人って、いい奴じゃん、
なんて心の中で思いながらクルマに戻ると、
せつさんがクルマの外でなにか叫んでいます。

近くによると、
「た~い~へ~ん!」「た~い~へ~ん!!」と言っているようです。

英語かと思いました。
「10人くらいがぶつけていって、はあはあ、ワゴン車が消えたの~~!」

すっかり子供みたいになっていて、
なにを言っているのかよくわかりません。

指をさして、「見て見てー!」というので、
クルマの反対側に行くと、ドアミラーがありません。

よーくみると、道路のかなり先のほうにこなごなに壊れて散乱しています。

どうやら10人くらい乗った
酔っ払い運転のワゴン車が、当て逃げしたようです。

イギリス人って、やな奴じゃん。
と思いました。

※しょうがないので翌日からはガムテープでとめたり、こんな感じのミラーに(TT)

当て逃げのことを英語では
「Hit & Run」ということをこのときに知りました。

「いやあ、ドアミラーくらいでよかったよなあ」とせつさんを見ると、いません。

すっかり助手席にのって、
「レッツ・ゴー!」なんて言ってます。

立ち直りの早いところがせつさんの持ち味です。

その後、道を聞くところがなく、
なんどかパブによって

※村々のパブを次々たずねて。。
※パブの中は盛り上がりすぎて・・大騒ぎ(TT)

べろんべろんに酔っ払ったお客さんに道を聞きながら、
ようやくホテルに着いたときには、
天国についたような気分でした

「google mapにお礼しないとね~♪」
せつさんの目が、久しぶりにクリックリしていました。

つづく

↓↓↓クリックで応援してね↓↓↓