注:今では毎年、1月から2月にかけてイギリスに買い付けに行っていましたが(コロナ禍で2年間行けていません)、当時は会社に勤めていたので、買い付けに行く日程が決まっていなくて、真夏に行ったり、秋に行ったり、様々でした。
<2006.9.20>
「ジョージアン!!」
おじいさんが大きな声で僕に迫ってきます。
小さなストールに古い家具をたくさん並べて「ジョージアン!」と叫びます。
えっと、ジョージアンというと確かヴィクトリアンの前だから、えっ、18世紀じゃんか!思わず、じゃんか!とうなってしまいました。
よく見ると、確かにえもいわれぬ味わいがあるんですね、これが。
もうひとつ、う~んとうなっていると、となりのシルバーをあつかっているおじさんが、この家具はいいぞ、なんて、仲間同士で助け合っています。
せつさんに相談しようと、見ると・・・、いません。
古いホテルの古いコンベンションルームといっても、大広間のような場所を、右に左にニンジャ走りで行ったり来たりしています。
なんだか興奮しているようです。
そうなんです。すべてがただごとではなく、安い!!。
こんな田舎のこんな場所のこんなホテル(失礼)に来る、日本人のバイヤーなんて、絶対にいません、と断言してもいいかも・・・。
みなさん素朴で、どっちかというと、プロの人というより、そこいらへんにいるアンティーク好きのおばあさん、おじいさんが、家にあったものや知り合いから譲ってもらったものを陳列している感じなんです。
予断になりますが、帰りにちょうどロンドンのカムデンパッセージという有名なアンティーク街でフェアがあるというので立ち寄ったのですが、とてもとても僕たちが手を出せるような品はありませんでした。
とまあそんなわけで、予定にないアンティークフェアで、まさに職住接近です。
せつさんのOKも無事いただき、大量に買い付け、部屋の中までおじいさんに一緒に運んでもらいました。
せつさんは、とってもきげんがよく、「いっそこの村に小さな家を買って、住んでみない?」とわけのわからないことを口走っています。
その理由のもうひとつが、僕が見つけた「ロイ」さんのテイクアウトの中華料理屋さんです。
アジアの人をまったくみかけないこのあたりで、唯一の中華料理屋さんがホテルの近くにあったので、せつさん、大喜び。こんどくるときは、レトルトの白いご飯も持ってこようなんてはしゃいでいます。
ゆるやかな時間が流れるこの村には、イギリスの古き良き生活が残っているようで、僕もすっかり気に入ってしまいました。
それにしても、イギリスの人のもの持ちのよさには、あきれるばかりです。
尊敬・・・!
つづく。
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