毎週火曜日12:30、英国からの新着アンティーク公開。

[その21] ひきこもり猫、パンサス。

今回から、新しいシリーズになります。まだ紹介できてないドリプレの猫たち。そんな新人さんたちを紹介していきますね。いま、ドリプレにいる子や事情があって引き取られた子、一定期間だけいて、いなくなってしまった子。いずれにしても、そのほとんどが、ガーデンに捨てられてしまった子たちです。もうこのような行為はほんとうにやめてほしいです。どんなに小さくても、かけがえのない命です。

<2022.6.2>

2年前の夏に入る手前、アガパンサスの花が満開に咲く頃、おどおどしたハチワレの男の子がガーデンにあらわれました。

アガパンサスの季節にやってきたので、パンサス、と名付けました。

※ガーデンの奥の馬小屋の建物の前の藪の中から現れました。

2020年の初夏は、まさにコロナが蔓延した年、5月のバラの季節になっても、来園者が一人も来ないことも珍しくありませんでした。

その前の年の房総半島を直撃した台風の傷跡も残る中、まさかコロナで世界中がパンデミックに見舞われるなんて、まったく想像もできませんでした。

そんな心が折れそうになる毎日の中、僕たちを救ってくれたのが猫たちです。

※まだ少年といっていい年頃だったのです・

ちょうど、その年の3月のまだコロナが社会で騒がれる前、NHKから猫とガーデンをテーマにした番組を作りたいと打診があって、すぐに3月の上旬に取材がありました。

動物番組「もふもふモフモフ」の中の「もふもふスローライフ」のコーナーでドリプレローズガーデンの猫たちが取り上げられて、うれしい反響がありました。

※上からパンサスを威嚇するチョビ。

ちょうどその頃、パンサスがやってきてからすぐ、同じハチワレの男の子があらわれました。

鼻の下に真っ黒なチョビ髭を蓄えていたので、チョビと呼んでいたら、いつの間にか、それが正式な名前になってしまいました。

問題はこのチョビが、ことごとくパンサスをいじめるのです。
パンサスを威嚇して追い詰めて追い詰めて、木の上まで追いかけるのです。

※顔に傷。いつもイカ耳のパンサス。
※イカ耳同士の、パンサスとチョビ。

そんなこともあってか、パンサスはそれでなくても、おどおどしていたのに、いっそういじけた猫になってしまって、カフェの中の誰にも見えないテーブルの下に一日中隠れるようになってしまいました。

こんなひきこもりの状態が半年は続いたでしょうか。

※パンサスを気遣うオルちゃん

ご飯の時だけ出てくるのですが、なにかもの音があると、一目散にそのテーブルの下に隠れてしまうのです。

そんなパンサスを不憫に思ったのか、オルちゃんが気にしてくれて、なんとか、ガーデンパトロール隊に入れるようになりました。

※パンサスをかばうように、オルちゃん

パンサスのお気に入りは、クリスマスローズのお花畑。

晴れた気持ちのいい春の日は、お花に囲まれて一日中いることも珍しくありませんでした。

オルちゃんや他の猫たちの気遣いもあって、ようやくひきこもりから解放されたのです。

※表情もやわらかくなりました。

よかったね、パンちゃん。

と思っていたのもつかの間、何があったのか、こんどはカフェから遠く離れた第2駐車場に引きこもるようになってしまいました。

※他の猫と一緒にいることはまずありません。

大雨の日も帰ってきません。

カフェスタッフがご飯を持って探しに行くと出てくるようです。
仕方がないので、僕がパンちゃん用の家を作ってあげて、第2駐車場においておきました。

原因はおそらく、チョビ、だと思います。
てっきり、オルちゃんの仲介もあって、和解していたと思っていたのですが、どうやらチョビのちょっかいが続いていたのかもしれません。

※チョビにやられたキズ

そんな状況を見るにみかねて、古くからの常連のお客様がパンサスを引きとってくれることになりました。

僕もこのまま、第2駐車場で半野良猫生活していくのもどうしたものかと思っていたので、内心、とてもほっとしました。

そして、2021年の12月のある日、パンサスはその優しいお客様にもらわれて行きました。

※まったく別猫になったパンちゃん。

そして、その後のパンサスはまるで猫が変わったみたいに表情がおだやかになって、幸せな猫になったようです。

その方は猫の扱いにはとても慣れた方なのですが、やはりというか、パンちゃんはとても不思議猫ちゃんみたいです。

※パンちゃん、幸せになるんだよ。

いまのパンサスの表情を見ていると、よかったなあとつくづく思います。

パンちゃん、こんどこそほんとうによかったね♪


過去の猫たちのお話はこちら
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※ここで強い強いお願いです。
毎年、毎年、ガーデンに猫を捨てていく人が後を絶ちません。山に捨てられた猫たちの大半は助かりません。うちのガーデンで幸せに暮らせるというのは幻想です。それはごくごく一部の運のいい猫たちだけです。このブログに登場することもなく、野生動物やカラスに襲われて、虹の橋に旅だった子たちもたくさんいます。かろうじて保護できた子は、病院に連れて行ったり、手術や健康診断、里親さん探しなど、とてもとてもたいへんです。

絶対に猫を捨てるのはやめてほしい。
それは動物愛護法に反する犯罪です。

苦慮した末、ガーデンのまわりには10の防犯カメラと12の防犯センサーを設置しました。万一、見つけた場合は証拠として警察にお渡しします。
※どうしても育てることができない猫がいた場合は、今は必ず地元に「保護猫団体」さんがあります。そちらにご相談ください。

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