毎週火曜日12:30、英国からの新着アンティーク公開。

関西人:せつ-2

<2006.8.9>
注:今では毎年、1月から2月にかけてイギリスに買い付けに行っていましたが(コロナ禍で2年間行けていませんが)、当時は会社に勤めていたので、買い付けに行く日程が決まっていなくて、真夏に行ったり、秋に行ったり、様々でした。

「私は、高校卒業まで関西で育ちました。
私がいた頃は、お買い物の時にお店で「値切る」のはごく普通のこと。

明るく(ここがミソです!)「ちょっとまけて~♪」と言うと
お店のかたも明るく(ここも明るさが基本ですね)、
「まいったなぁ~!」と言って、あっさり値引きしてくれるのです。
(本当の勝負はここからで、第二段階の値引きに入っていくのです!)

上京してから東京のかたが、値切らずにお買い物をされているのを見て、
「なぜ・・??」とギモンでいっぱいでした。

そんな私ですから、イギリスでの買い付けは関西人として腕の見せ所です。

3年前初めての買い付けで、
アンティークの師の後をくっついて回らせていただいていた時、
あるお店で1回値切ってみたのです。

そうしたら師は「イギリスで値切るのはだめだよ。

失礼だからね。」というのです。
師は全然値切らずにどんどん買い付けをされています。

「アンティークを売っている人は、適正な価格で売っているんだから。」
ともおっしゃるのです。 モヤモヤ・・・・。

なんだか胸がモヤモヤしていたのですが、
師がそうおっしゃるのなら・・と、

そのときは値切るのをあきらめました。

昨年の秋の買い付けの時も、

モヤモヤをひんぱんに感じつつ、
師の言いつけを守って、絶対に値切ったりしませんでした。
(ス、ストレスが・・・。)

せいぜい、言ってもいい限界ワードの
「ユア ベスト プライス?」だけで我慢しました。
(このお値段が精一杯のお値段ですか?と
 遠回しにお聞きするのですね。 遠すぎる気が・・・。)

でも、これを言ってしまうと「イエス!」でにっこりして終了です(T-T)

今年の買い付けこそ、

この長年のモヤモヤを晴らすべく作戦を立てました。

行動指針:その1–は「上品な値切りの言葉を習得!」です。

習得するためには、先生に教えていただかないと。
でも私の英会話の先生に、なかなかこのことを切り出せません・・。

先生は私のあこがれの、
とても上品で美人で知的な方です。

外国でお生まれになって、

マナーや発音はネイティブです。
お子さんたちももう独立されて、

颯爽とおしゃれに生活されています。

そんな方に「値切り」の言葉をお聞きしていいのでしょうか。

もしかして、先生は「値切り」という言葉を知らないかも・・。
知っていても、人生で一度も値切ったことなどない気が・・。

と、今度はモヤモヤがクヨクヨに・・。

そんな数週間がすぎて、
いよいよ明日はイギリスに出発!という日、
思い切ってたずねました。

「先生、思いっきり上品でいながら、思いっきりお安くなる、
効果絶大の値切りの、一番短い英会話を教えてくださいっ!」
(きぁ~・・。)

先生は、急に大笑いされて(なぜ・・?)
そして、美しい眉をちょっとひそめられました。
気まずい沈黙が続きます・・。

先生は一生懸命考えてくださった後に、

「せつさんは長いと覚えられないと思うので、とても簡単な単語で
 とても短い会話にしましょうね。」と優しく言ってくれました。
(サンキュー ティチャー・・・(T-T)

先生はゆっくりと何度も発音してくださいました。
そしてこっそり、先生の発音を「カタカナ」で書き写す私(カタカナ・・)。

そのメモを「買い付けノート」(買い付けの時に持ち歩くノートです)に
しっかり大切にはさんだのでした。

もちろん効果は、絶大でした。

きちんと笑顔でごあいさつをしてから、

丸暗記のこの言葉を言うと、
ほとんどのお店で気持ちよくあっという間に、

値引きしてくださいました。
(おかげさまで、今回の買い付けでは前回に比べて、
 とってもお安く、いいアンティークたちを手にできました。)

魔法の言葉と優しい先生にカンパイ!

実は、いまだに意味がよくわかっていないのですが・・・。(*^^*)

つづく。

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