毎週火曜日12:30、英国からの新着アンティーク公開。

【お盆特集】虹の橋から

<2024.8.16>

今日、このブログを書いている日は、台風7号が房総半島の真横を猛烈な強さで北上中です。
ガーデンも休園なので、久しぶりに静かな時を過ごしています。
ふと、かつてドリプレで暮らしていた猫たちのことを思い出しました。
おそらくこの子たちを知っている人もかなり少なくなってきたと思いますので、
今ドリプレで幸せに暮らしている猫たちも、
この子たちがいたおかげなんだよ、との思いも込めて書いていきたいと思います。

さすらいの猫、チロ。
ガーデンパトロール隊の初代隊長でした。
僕たちがここに越してきた2006年、その翌年の真冬にチロがボロボロの姿で現れました。
顔中、疥癬にやられていて、ガリガリにやせていて、食べ物をあげたら、
口にくわえてダダダッと森に隠れたものでした。
その後、だんだん慣れてきて、病院にも連れて行って、すっかり体もよくなって、
ドリプレに住み着くようになりました。
その後、奥さんのタマちゃんを連れてきて、タマちゃんの子供だったコチロ、
ハーマイオニーと仲良く暮らしていたのですが・・・・
バラが咲き始めたある春の日の朝、イノシシと戦って、命を落としてしまいました。
ほんとうに良い猫でした。体は小さいのに男気のかたまりのような猫でした。

チロの子供だから、コチロ。
しっかりとしたたくましいお父さんのチロのおかげで、のびのびと育ちましたね。
おもえば、ドリプレにやってくる猫たちはすぐに避妊の手術をしてしまうので、
子猫からドリプレ育った猫は、このコチロと、
三毛猫のハーマイオニー(まだ元気ですよ)だけなんです。
コチロはしばらく元気に暮らしていたのですが、猫特有の腎臓病にかかってしまって、
ある日、噴水のそばでうずくまっているのを見つけて、病院に連れて行ったのですが、
しばらくして虹の橋に旅立ちました。
お父さんのチロと、お母さんのタマと、ほんとうに仲睦まじい家族でした。

肝っ玉かあさん、タマ。
まさかチロに家族がいたなんて、はじめの頃はまったく気づかず、
しばらくして、タマちゃんと3匹の子猫を連れてくるとはまったく予想していませんでした。
コチロと、ハーマイオニー、そしてもう1匹の男の子がいたのですが、
その子はいつの間にかいなくなっていました。
タマちゃんはほんとうに肝っ玉かあさんで、お父さんのチロとも愛情たっぷり。
チロが亡くなって、コチロも後を追うように虹の橋へ、そして野生児ハーマイオニーはなんども家出をして、2年間戻ってこなかったり・・・
いろんな悲しいことがあったけど、タマちゃんはたくましく生きていました。
タマちゃんの晩年に、突然2年ぶりにハーマイオニーが戻ってきて、
しばらく幸せそうに母と娘で一緒に暮らしていました。
その後、タマちゃんは天寿をまっとうして、虹の橋へ。
ハーマイオニーは今も馬小屋のテラスで元気ですよ

僕たちの人生の猫、モイ。
川崎時代からいっしょに暮らしていた大きなアメショーの男の子。
僕たちといっしょに田舎暮らしを始めました。
とにかく性格が抜群に良くて、怒ったり、いやな態度をしたり、
ということがありませんでした。
僕たちがこの山を開墾してガーデンを作っていることをいちばんよく知っている猫です。
ある日、おしっこがでないの、と僕たちに伝えにきて、
すぐに病院に連れて行って、長い闘病生活が始まりました。
それからしばらくして虹の橋へ。
僕たちの川崎時代から房総半島時代を知っている唯一の猫でした。

やんちゃな男の子、ピピ
2006年に自宅が完成して翌年、モイちゃんと暮らしていたのですが、
もう1匹いたほうが、モイちゃんも喜ぶによね、というせつさんの提案で、
アメショーのブラックタビーの男の子のピピちゃんを引き取りました。
それにしても思った以上に、モイちゃんが良くしてくれて、ほんとうに自分の子供のように
甲斐甲斐しく面倒をみていましたね。
ピピはくったくのないほんとうに自由気ままな子だったのですが、
やっぱり腎臓病で何度も入退院を繰り返していました。
先に虹の橋に旅立ったモイちゃんと幸せに暮らしていると思います。

房総の猫仙人、ジジ。
ある日、納屋の隣の機械室のダンボールに住み着いていた、ジジ。
長毛猫だったのだけど、長い野良猫生活でレゲエおじさんみたいになっていました。
しかも、猫エイズの末期だったらしく、ひどい口内炎で、柔らかいキャットフードを与えても、
食べるたびにものすごく痛いらしく、ギャッと飛び跳ねながら、
それでもお腹が空いていたのか、ひたすら食べていました。
外観に似合わず、とてもフレンドリーな性格で、
ドリプレの猫たち全員に鼻をつけて挨拶して回るんです。
病気には勝てず、1年ほどして毎日のように病院に連れて行って、その甲斐もなく、
ある日、機械室のお気に入りのダンボールの中で冷たくなっていました。
一昨年に家出してしまった黒猫のコジジは、性格の良さでジジの後継者でした。

ドリプレでいちばんやさしい、コモイ。
2020年の一年間を通して、NHKの「もふもふモフモフ」の5分コーナーで、
ドリプレの猫たちを紹介していただきました。
そのスピンオフ番組「ねこの楽園2020」で、コモイは人気者になりました。
番組の中でもいちばん弱い猫と紹介されていましたが、
ほんとうに気が優しくて甘えん坊の男の子でした。
番組が放送された年の12月に、虹の橋へ旅立ちました。
どこかひょうきんで、だれにでも甘えて、でもいつもびくびくしていたね。
なんだか、コモイには、ごめんね、という言葉しか思いつきません。

おてんば天使、レア。
5年ほど前になりますが、オルといっしょに第2駐車場に置き去りにされてしまった、レア。
オルちゃんがそれはもう、レアちゃんを守らなければいけないという使命に取り憑かれていて、
レアちゃんにちょっとも近づこうものなら、たいへんな怒りようでした。
3ヶ月くらいの子猫だったのだけど、
一年たっても子猫のまんまで、その可愛さは特別でした。
いつもオルちゃんがレアちゃんのことを気にかけていて、
目を離すことがなかったくらいべったりでした。
そんなレアちゃんがドリプレにきた翌年、突然死してしまったのです。
なんの予兆もなく、その日も午前中には大好きな木登りをしていたんです。
あっという間に、虹の橋に旅立ったしまいました。
その後、オルちゃんは、ずっとレアを探していました。悲しいくらいに探していました。
そんなオルちゃんを悲しみの淵から救ってくれたのが、マリーなんです。
猫だって、猫に助けられて生きているんだよね。

気高い孤高の、ウメ。
3月のウメの花が咲く季節、まだまだ寒い頃でした。
ガリガリにやせて、ボロボロの猫が馬小屋にやってきました。
てっきりおばあさん猫だと思ったので、ウメ、と名付けました。
ガーデンパトロール隊の他の猫たちとはまったく打ち解けません。
いつも一人で馬小屋のまわりに居着いていたので、
可哀想になって僕たちの部屋に招き入れました。
それから何年たったのかな。5年くらいかな。
ウメさんは体が弱く、しょっちゅう病院に通っていました。
おしっこがでなくなったり、甲状腺に障害あったり、最後は肝臓が悪くなって。
入退院を繰り返して、今年の5月、薔薇の季節に虹の橋に旅立ちました。
ウメさんがいなくなってから、ぽっかりと胸に穴が開いたようで・・・

ドリプレの長老猫、メイ。
先日、同じ「虹の橋から」というタイトルのインスタを投稿したのだけど、
そのとき、なんと、メイさんを入れるのはすっかり忘れていました。
僕たちの人生の半分以上を見てきた猫なのにね、ごめん、メイさん。
メイさんは27歳まで生きたのですよ。
これには病院の先生もびっくりしていました。
病気ひとつかからないで、なくなる日まで、粗相もなく、ほんとうにしっかりした猫でした。
僕たちが東京で小さな広告会社をやっているときから一緒に暮らしていました。
せつさんとは今年、結婚41年になりますが、
メイさんはその次に長い間いっしょにくらしてきたのですね。
亡くなる最後の一週間は、二人で看取ろうね、と毎日、メイさんのそばにいました。
ほんとうにおだやかにろうそくの日が静かに消えるように虹の橋に旅立ちました。

なんだか、やがて訪れる自分たちのことを教えてくれているようでした。

お盆になると、かつて一緒の時間を共にしたたくさんの猫のことを思い出します。
特にこの房総半島の山の中に越してから出会った猫は数え切れないほどです。
その中でも縁あって、僕たちと共通の時間を過ごした猫たち、
そして今は虹の橋に旅立ってしまった猫たちは、
僕の心の中のセメタリーにしっかりと残っています。
素晴らしい思い出は、素晴らしい人生をつくる糧になるのではないかな。

過去の猫たちのお話はこちら
————————————————-
※ここで強いお願いです。
毎年、毎年、ガーデンに猫を捨てていく人が後を絶ちません。山に捨てられた猫たちの大半は助かりません。うちのガーデンで幸せに暮らせるというのは幻想です。それはごくごく一部の運のいい猫たちだけです。このブログに登場することもなく、野生動物やカラスに襲われて、虹の橋に旅だった子たちもたくさんいます。かろうじて保護できた子は少数なのです。私たちもいつの間にか年をとりました。最後まで面倒を みることはできないので、このお願いをしています。

絶対に猫を捨てるのはやめてほしい。
それは動物愛護法に反する犯罪行為です。

苦慮した末、ガーデンのまわりには防犯カメラと防犯センサーを設置しました。万一、見つけた場合は証拠として警察にお渡しします。
※どうしても育てることができない猫がいた場合は、今は必ず地元に「保護猫団体」さんがあります。そちらにご相談ください。

↓↓↓クリックで応援してね↓↓↓