毎週火曜日12:30、英国からの新着アンティーク公開。

予感:夫1

左:当時の自宅の庭 右:駐車場がすっかり(T-T)

<2006.9.15>

「ねえ、ステキだと思わない。」

すべては、せつさんのこの一言からはじまったのです。
当時、川崎の自宅の20坪ほどの庭には、せつさんが植えた、
いいえ正しく言うとせつさんに命令されて僕が植えたオールドローズたちが
ところ狭しと100本くらいは植わっていたでしょうか。

★当時、せつさんが作った自宅の庭のローズマップと栽培結果
★気になるイングリッシュローズとオールドローズを片っ端から育ててリスト化(でも猫の額の庭・・TT)

それは18年前の蒸し暑い夏の午後のことでした。
ずーっとテラスから庭を見下ろしていたせつさんは、
とつぜん振り返り、目をクリックリッ輝かせて、冒頭の発言になったのです。
こういうときのせつさんは、おっかないです。
少しでも反論めいたことを言うと、室温が5度は下がります。
僕は心の動揺を見透かされないように注意深く、言葉を選びました。


「えっ、どうしたの・・・」

せつさんは続けます。

「5000坪の土地に3000本のバラが、満開に咲いているの。」

もうだめです。こうなると、誰も止められません。
せつさんは、もうこの川崎の自宅にいません。
すでにせつさんが心の中で描いてる、
その5000坪のどこかの土地に行ってしまっています。

★32件目の現地見学でやっと出会った理想の土地

そういえば、ここのところせつさんは、庭を眺めてはため息をついていました。

「香水ビンをぶちまけたような、
むせ返るくらいのバラの香りに包まれるの。」

僕の背中は夏だというのに、冷や汗でじっとりと湿っていました。
この後の展開が手に取るようにわかるからです。

つづく