注:今では毎年、1月から2月にかけてイギリスに買い付けに行っていましたが(コロナ禍で3年間行けていません)、当時は会社に勤めていたので買い付けに行く日程が決まっていなくて、真夏に行ったり、秋に行ったり、様々でした。
<2006.11.13>
しばらく入り口で、幽体離脱をしていたようです。
びっくりしすぎたウサギさんは、死んでしまうそうです・・。
(誰がウサギやー!?・・さみしい一人ツッコミ)
ふっと気がつくと、ピンクのビニールのネコちゃんバッグは、エルメスのバーキンやら、クロコダイルバッグやらに取り囲まれています。(ネコちゃん、ピンチ!)
執事のようなハンサムな初老の男性は、さっきから「マダァ~ム」と呼びかけています。
「マダムって・・・誰?」と、思わず日本語で聞く私・・・。
(動転はつづく・・。)
よ~くお聞きすると、どうやら大きなバッグと一緒では入場できないので、「クロークでお預かりいたします。」とのこと。
(やっぱりね・・TT)
そうとわかれば、きっぱりとネコちゃんをお預けする私。
(連れてきちゃってごめんね、ネコちゃん・・。)
最初はびっくりしていましたが、せっかく来たのだし、入場料20ポンドも奮発(!)したのですから、オロオロするのはやめてこうなったら堂々と行きましょう!
アンティークのお品を勉強するには絶好のチャンス!です。
そう決めたら、だんだんドキドキもおさまりました。
うわぁ~!なんてゴージャスなんでしょう・・。
たたみ2畳くらいもある油絵や、ボタニカルアートの原画たちが並んでいます。(畳・・・。)
その向こうには、1600年代や1700年代の陶器たちが・・。
マホガニーの重厚な家具たちも・・。
まわりの貴婦人たちは、みんな笑顔でゆっくりと歩いています。
時々、小さな声でお話したり・・。
これね!と、すばやく学習した私はそれからというものずっと、「笑顔一本!」で通すことに・・*^^*
こんな場所では、ニンジャ走りも似合いません。
精一杯、ゆっくりと優雅に歩かなくちゃ・・。
堂々とニコニコとのろのろ歩く私に、やっとお店のかたがお声をかけてくださいました。
こんなときは、覚えたての魔法の言葉「ジャストルッキング♪」ですね。
(でも見てるだけ・・って、かな~り寂しい・・・。)
この一言で、どんどん道は開けました。
(モーゼか・・・?)
ふと夫を探すと・・純銀食器類の大きなショーケースの前に立っています。
どれもこれもが、何十万何百万という高価な世界ですね。
いつまでも動かないのでそばに行くと「磨きがものすご~く、丁寧できれいです・・・。」とのこと。
そういえば、夫は「磨き担当部長」という肩書きのもと、毎日せっせと、一生懸命ドリプレのシルバープレートたちを磨いてくれているのです。
さすがに見ているポイントが違いますね・・・。(T-T)
ほほが引きつって来て、もうしばらく笑えそうも無い・・という限界まで来ました。
入り口で素早くネコちゃんを引き取って、外に出ました・・。
(ずぅ~っと笑い続けるのって、けっこう苦行TT)
外で引きつったほほをなでながら、ふと見るとガーデンへの入り口が!
「キッチンガーデン」と書いてあります。
そう、ここが悪夢の後の、「幸福」への入り口だったのです!!
つづく。
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