<2018.12.07>
先週は、コジジのお話でしたが、
その前に、ジジというドリプレガーデンで
初めての黒猫が住んでいました。
今回は、その初代黒猫ジジのお話です。
でもね、ジジのお話をしようとすると、
すでにね、涙目になってしまうのです。
そうねえ、もう6年以上前のことです。
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お客様でも、ジジのことを知っている人は
少ないと思います。
たった一年しか、
生きることができなかったのです。
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2012年の薔薇の季節に入る
ちょっと前の春の暖かい日。
納屋の隣の機械室に誰が置いていったのか、
黒いボロ雑巾が落ちていました。
せつさんがそれを拾い上げようとしたら、
いきなり「ニャー」と鳴いたのです。
すっかり雑巾かと思っていた
せつさんもびっくり!
だって、よれよれで真っ黒で、
誰が見ても猫だとは思わないと
力説していました。
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確かに長毛の黒猫で、
山の生活が長かったせいか、
全身がすっかり汚れていて、
ガリガリに痩せていたのです。
どう見ても若くはないし、
レゲエおじさんか、ホームレス、
いやいや、これは仙人かもしれないぞと・・・
それにしてもなんで、
機械室に突然あらわれたのでしょうか。
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せつさんが機械室に
タオルを敷いた段ボールを置いてあげたら、
すっかりそこが気に入ったらしく、
ずーっとその中で寝ていました。
僕はすぐに病院に連れて行きました。
結果、あちこちが悪いらしく、
あまり長くはないと言われました。
いわゆる猫エイズの末期だったようです。
そのため、ひどい口内炎を患っていて、
ご飯をあげると
食べるたびにギャッと叫んで飛び上がっていました。
その姿がかわいそうで、
見ていられなかったです。
もう何度も病院に連れって行っては
緩和措置をしてもらい、
それからは少し元気になるのですが、
しばらくするとまたうずくまっているのです。
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そうそう、せつさんが大好きなアニメ
「魔女の宅急便」から、ジジと名づけました。
体は病気でたいへんでしたが、
猫たちの中でも1・2を争うほどの性格の良さで、
どの猫たちともたちまち仲良くなってしまうのです。
どんな猫にも、鼻ツンツン、
のあいさつを積極的にするのですが、
なにぶん、病気のせいか、
すごい匂いがするので、
他の猫たちもなんだか困った様子なのです。
あの荒野の暴れん坊ニャジラにも臆することなく、
鼻ツンツンしていましたね。
その時のニャジラの反応が
どうしていいかわからない
といった感じで面白かったです。
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正直、あまりかわいい猫ではなかったので、
ついブログで、「かわいくない」を連発していたら、
ジジファンのお客様から叱られたこともありました。
僕の知らないところで、
ジジなりにお客様に精一杯ご接待していたようです。
正門でのお出迎え、駐車場までのお見送り。
いまのガーデンの猫たちは
この伝統を受け継いでいるのかもしれません。
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一年後の薔薇の季節の入り口のある日。
病気がかなり進行して、口内炎もあって、
ご飯をほとんど食べられなくなりました。
そのつど病院に連れて行って
注射をしてもらうのですが、
この頃になると、注射もあまり効かなくなりました。
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日に日にやせ衰えていくジジを見るのはつらかったのですが、
ジジなりにみんなと仲良くしようと、
相変わらず、鼻ツンツンあいさつをしてまわっています。
他の猫たちは距離をおいているようで、
なんだか寂しい気持ちになったものです。
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そして、2013年の
ゴールデンウィークの真ん中の5月1日。
いつものように、
ジジが暮らしている機械室の段ボールを見に行くと、
そこで冷たくなっているジジを見つけました。
たった一年だったけど、
ジジの誰とでも仲良くしようとする姿と、
優しい立ち居振る舞いが忘れられません。
病気で全身を蝕まれていて、
本当に苦しかったと思うけど、
懸命に生きようとする姿には
教えられることがたくさんありました。
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伝説の猫チロの隣にお墓を作ってあげました。
左がチロ、右がジジです。
それにしても、なんで、ドリプレの猫たちって、
薔薇の季節に旅立つのでしょうか。
棺の中はせつさんが手向けてくれた、
薔薇のお花でいっぱいです。
本当に、いい猫でした。
次回は、オッドアイのジャパニーズボブテイル、リリーちゃんです。
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